新古書店についての考察

新古書店という名称がいつ誕生したのか正確なところはわかりませんが、 いつのまにかニュータイプの古本店があちこちで見られるようになっていた時期を覚えています。

このタイプのお店は、ほとんどの本が新刊書の定価の数分の一を売価の基準として売っていたのではないでしょうか。 ある書店では、それまで看板商品としてお店の奥に置いていた品物と、 実際に多く流通する商品を別々のフロアに置くことによって、 従来型の本格的な古本買取店の格式を維持しながら一般書の大量販売に成功していました。

ここでいう一般書とは、 特別な愛書家やその道の専門家ではないごく普通の市民を対象とした本のことです。 いわゆるベストセラーものなど、小説やエッセー、実用書の大半がこれに入ります。

大型ビルの新刊書店なら、一階に置いてあるような種類の本のイメージです。 大手古本買取店は看板商品を完全に切り捨てて、 一般書の専門店になることで新たな顧客層を開拓しました。 内装などを新刊書底と同じものにすることによって、 従来は古本買取店を敬遠しがちだった女性や若者を取り込むことに成功したのではないでしょうか。

また、古書、古本買取という言葉を使わないことで、 従来の古本店とはまったく違った「新業態の書店」というアピールにも成功しているようにも見えます。

これらの新型古本店のライバルはおそらく従来の古本買取店ではなく新刊書店でしょう。 新刊書店に並んでいるものとほとんど変わらないきれいな中古本が 定価の数割程度で買えるのですから、一部の消費者がまず新古書店を見てから、そこで見つからなければ新刊書店に行こうと考えたとしても不思議ではありません。

これらの新古書店に共通しているのは、 大量出版時代に応じて、従来型古書居よりもはるかに広い売り場面積をもっていることに思います。